光には本当のことを言ってるから、1ヶ月間だけ付き合うことになったことも知っている。


それなのに、なぜか納得いかないみたい。




「おかしいって。
仮にも付き合ってたら、ちょっとくらいはいいかなー?とか思うもんでしょ!
キスのひとつもしなかったの!?」



ドキッ。



〝キス〟という単語に反応してしまう。




あの日佐野は、部屋であたしに……キスしようとした……気がする。



やっぱ男って、なんとも思ってない女にも普通にそういうことできるのかな?


本人曰く、鼻毛取ってやろうと思っただけらしいけど。


あ、思い出したらイラっとした。




「え、なにその間……。キスしたの!?」



「してないよ!」



ブンブンっと首を振る。



するワケないじゃん!


佐野とあたしが?あり得ない!




「どうせあたしは鼻毛女だし!」



「え、鼻毛?」