帰りは佐野が、またチャリに乗っけてくれた。
二ケツで送ってくれるみたい。
あたしはなんとなく恥ずかしくて、うまく佐野にしがみつけないでいる。
「しっかり掴まれよ。落ちるだろ」
「……だって佐野、あたしが腰に手回したら、変態って言ったじゃん」
「あ、あれは違う。変態じゃなくて返信って言ったんだ。お前、ラインの返信が遅すぎるから」
……うん。無理あるね、それ。
ていうか、朝っぱらからスタンプミスのラインがきたら(しかもハッピーバースデーだよ?)、誰だってちょっと戸惑うよ。
「お、俺だってお前にしがみつかれるとか、そんな恥ずかしいマネされると思うと反吐がでそうだけど、」
失礼だよね。
「でも、万が一ってことがあるだろ?落ちてケガでもしたらどうすんだよ?
……まぁ、バカはケガしないって言うけど」
「言わないよね」


