「そうなのね」
だとすれば、これはもはや普通のタイムウォッチじゃ計測できない。
今すぐにでも妖怪ウォッチが必要だ。誰か持って来てくれ。スタッフ〜!!
「どうしたの?仁菜ちゃん」
……ハッ。しまった!
お母さんに心配そうに覗き込まれ、あたしは妖怪ワールドから我に返った。
「お兄ちゃん苦しい〜!離してぇ」
「こら!亜里沙、お前なんでこれ知ってんだよ!……うわ!」
暴れてる亜里沙ちゃんを抑えるのに必死な佐野は、ヒラリ、奪い取ったはずの写真を落としてしまう。
ひらひらと舞い落ちてきた写真を、お母さんは拾いながらめくった。
「あら?この写真、ゆづが中学の遠足のとき、自分のと間違えて買ったって言ってたやつじゃない?」
まじまじとその写真を見つめながら、「あら?」と、声を出すお母さん。
そしてチラッとあたしの方を見てきたのだ。
「?」
首を傾げると、
「あらあらあらぁ〜?」
ニヤニヤと、今度はあたしと佐野を交互に見てきた。


