「あったー!」
いつの間にか、亜里沙ちゃんはキャッキャッとはしゃぎながら、棚の上に置いてある紙みたいなものを手に取る。
「これだよ!」
そう言ってあたしに見せてきたそれは、どうやら写真のようだった。
あたしはジッと目を凝らして、その写真を見てみる。
だが隣で、俊敏に何かが動いたのだ。
「お姉ちゃんのしゃ……うぶっ」
その何かは、佐野はだった。
凄まじい早さで立ち上がり、亜里沙ちゃんのもとへ走って写真を奪い取り、口をおさえる。
その速さおよそ0.5秒。
タイムウォッチで正確な速さをはかりたいと思ってしまった。
尋常じゃない速さは、ただものじゃない。
きっと何かの仕業だ。
たとえばそう……妖怪。
妖怪のせいなのね。


