【完】こいつ、俺のだから。





パチリ、数秒目が合う。



「……まぁ!」




そして、キラキラとした目であたしを見つめて聞いてきた。



「もしかして、彼女さん!?」



まさかの親とのご対面。




「あ……はい。はじめまして、中原仁菜です。お邪魔してます……」


ペコリと挨拶すると「仁菜ちゃん、散らかってるけどゆっくりしてってー!」と、お母さんは部屋の中に、意気揚々と入ってきた。



思わぬ展開に焦ってしまう。




「可愛い彼女さんじゃない!
ゆづってば、そういうこと全然教えてくれないんだもん」



「う、うるせぇーな!出てけよ!」



「あらやだ。照れちゃって!」



バシンッ!と、佐野の背中を叩くお母さん。


今のは痛そうだ。




ていうかあたしびっくりだよ。



佐野のお母さんと妹さん、全然佐野と似てない。


え、本当に兄妹?家族?



遺伝子どっかで間違えちゃったんじゃないの……!?