【完】こいつ、俺のだから。




「ゆづお兄ちゃーん!」



部屋のドアが開いたと同時に、



――ドカッ。



「うっ!」



あたしは佐野のみぞおちにクリティカルヒットの蹴りをいれていた。




「…………」



開いたドアのところで、ポカーンとこちらを見てるのは、幼稚園くらいの小さな女の子。



あわわわわ。見られたっ。




「わぁ……!写真の女の人だぁ!」



だけどその女の子は、蹴飛ばされて天に召されかけている佐野を差し置き、あたしを指差してそう言う。



「お母さーん!お兄ちゃんのお部屋に、写真の人がいるー!」



そして一緒に帰ってきたらしい、下にいるであろうお母さんを呼んだ。



……オーマイガー!!



写真の人とか意味わかんないけど、こんな状況でママ呼んじゃダメよ!



ていうかあなた、佐野の妹!?