それは辛いって。


なんかないの……なんか、話題。



そのときふと、ベッドの上のドラクエが目に入った。



「「あのさ」」




……佐野と見事に、声がかぶる。




「な、なんだよ。お前から先に言えば?」



「えっ。あっ。佐野、あのドラクエけっこう進んだのかなって思って……」



「あ?……あぁ、もうすぐでラスボスだ」



あたしの視線の先を追って、佐野もドラクエのゲームを見ながら答えた。




「……お前もしてみるか?」



「えっ、いい……!やったことないし!」



ラスボスとか重要なところを他人に任せるんじゃない。バカ野郎。



「…………」


「…………」



シーン。