「おはよう雛姫」


目覚めたと同時に、ノックが聞こえたと思ったら返事も聞かずに、扉が開いた。


「平助くん・・・・・・」


そこには、浮かない顔をした平助くんがいた。


「話があるんだ・・・・・・いいかな?」


「うん。いいけど、着替えるね。格好が格好だし」


今のあたしはパジャマのまま。


とりあえず、髪の毛を手ぐしで整えながら起きようとすると、平助くんがこっちに走ってきた。


「いいよ別に着替えなくて!今・・・・・・聞いてほしいから」


あたしはよくないんだけど。って思ったけど、寂しげな平助くんの顔には言えなかった。


この顔は、何度か見たことがある。


初めて見たのは、平助くんたちが来た日。


皿を洗っているあたしのもとに、やってきた平助くん。


どこか、悲しそうな・・・・・・そんな顔をしていた。