優しい声だけど、“ありがとう”の、本気が伝わってくる。


でも・・・・・・。


「どうして、ですか?」


「一度死んだ私たちのことを思って、夜も眠らずいてくれるとは・・・・・・目の下に隈までつくって」


心配そうに苦笑して、あたしの手を引いた。


「ここで、寝てください。私が使ったあとですが、ゆっくり休んでください。皆さんのことは、私が部屋から出さないようにしますから」


山南さんは、あたしをあいたベッドの上にのせると、近くの椅子に腰かけた。