だけど、雛姫ちゃんはこう言ったんだ。
「総司くんの優しさ、伝わってきました。・・・・・・ありがとうございます」
涙を流したまま。
どうして、そんなこと言うの?
優しくなんかしていないのに・・・・・・
自分勝手に雛姫ちゃんを、傷つけただけなのに・・・・・・。
それなのに、笑顔を向けてくれた雛姫ちゃんに、僕は何を感じるよりも先に唇を重ねていた。
雛姫ちゃんの、唇に・・・・・・。
だけど、その瞬間感じたんだ。
一気に、その感情が。
そうか・・・・・・一くんも、こんな気持ちだったんだね。
雛姫ちゃんのこと・・・・・・。
「僕がキスする理由・・・・・・教えてあげるよ」
すごく、すごく・・・・・・。
「好きだからだよ」
好きだったんだね。
くだらないなんて言っていた、自分がくだらないよ。
だって今、僕は誰より、雛姫ちゃんが好きだから。