『好きだ・・・・・・』


呟かれるその声。・・・・・・誰?


その姿は、頭から下しかうつっていない。


・・・・・・見えない。


その人は、腰には刀を差して浅葱色の羽織を着ている。


『誰なの・・・・・・?』


『好きだ』


声は、あたしが知っている誰のものでもない。


だけど、どこか親しみがある気がする・・・・・・。


きっと、あの中の誰か・・・・・・。


『あなたは、誰?』


答えようとしても、教えてくれない。


見ようとしても、視界が動かない。