あの日、話したときから、そうなると予想していた。


『平助、応援できなくてすまないな。でも、それ以外を謝る気はない』


・・・・・・それ以外を謝る?


『好きになっちまったことは、譲れねえから』


そういうことか・・・・・・。


でも、だよな。俺だって、謝られる方が嫌だ。


『・・・・・・』


平助は、黙ったまま何も言わない。


やっと口を開いたら・・・・・・。


『謝らなくていいよ。勝つの、俺だし』


って、宣戦布告だしよ。


そのあと、まあなんとなく部屋に戻ってきたものの・・・・・・。


「俺は、どうなんだろーな?好き・・・・・・」


雛姫・・・・・・か。


笑顔が可愛くて、いつだって視線の先にいる。


「かもしんねぇな」


好きになるきっかけなんて、わかんねーけど、わかることはある。


よくよく考えれば、すぐに・・・・・・。


「かもじゃねえや・・・・・・俺は、雛姫が好きだ」


なあ、左之よ。


俺と恋敵になっちまったな?


生きてた頃はよ、おめえと仲良かったな。


だったら、俺が雛姫をとっても怒らねえよな?


左之、絶対におめえだけには譲らねえよ。