黒と赤

その瞬間を湊は見逃さなかった

立場がすっかり逆転してしまった

上に乗った湊がギンと俺を睨みつける

その目は出て来た時とは又違う悲しい瞳だった

「殺したいなら殺せば?」

そう言って鼻で笑ってやる

「なぁ
2人とも先帰ってて…」

ちらりと京花と刃兄を見てそういうとすぐに湊に視線を戻した

「ほらこれ使ってさ」

ポケットから忍ばせていたナイフを取り出し湊に渡した