黒と赤

感情なんてなければこんな気持ちにもならないのに……

あ、いけない

よし行こう

量頬をパシッと叩き気合を入れるとまた走り出した

「もう大丈夫だな?」

俺はこくりと頷いた

パーカーのフードをかぶり直して走り続ける

巣穴から出てもう1時間も経っている

やばいあと、2時間しかねぇ

「焦りは禁物よ」

京花の声を耳に俺は走るスピードを上げた

今日は嫌でも時間がかかる仕事なのに

ちぇっ

本当に着いてない