私は茜と別れると、夜の街をさまよった。

どうしたらいいんだろう?


自分だけ幸せになることに抵抗を感じた。
それに増田はまだ私を好きなのかも分からない。

私は丘に伸びた長い階段に腰を降ろした。

街はまるで私の思いなど関係ないとでもいうように、煌々と光り、静けさが私を包みこむ。


今世界のどこかで、私のような思いに苦しんでいる人間がどれほどいるだろう。

茜は私を許してくれた。それに私の幸せを願ってくれた。
素直にそれを受け入れることは難しい。