翌朝、帰り支度を済ませてロビーで路線バスを待っていると、雪見が走ってきた。

「間にあった。これ」

と雪見は腕を突き出した。
手には紙が握られている。

戸惑う私に雪見は強引に紙を手渡すと、じゃあ、といい視界から消えてしまった。


開いてみると、携帯番号とアドレスが書いてあり、


いきなり渡してごめん。もし、よかったは連絡ください。


と書かれてあった。



「何だ南雲、友達できたんか?」
と牧野がとぼけた声を出した。
私は真っ赤になって、牧野をにらんだ。