フェンスの向こう


「うん…ちょっとね、嫌なことがあったんだ」

「そっか、はいよっ」

優汰はテニスコートの前で私に持っていたかごを渡した

「ゴメンね、心配かけちゃって
本当ありがとう」

それだけ言って、私はコートに入っていった