「嘘だろ...」
「アイツ、本当に飛び降りるとはな」



放課後、日が沈みかける頃。
1年5組の"クラスメイトだった"人達は、普段のにぎやかさを完全に失っていた。



教室は、文字通り静まり返っている。



そう。死んだの。
私は、もうこの世の人間ではないの。



二度と酷いいじめに遭うことはないんだ。
これでもう、全てから解放されたんだ。



高校の屋上から飛び降りた後、私は自分の死体を眺めていた。



浮遊霊にでもなっちゃったのかな?体が30cmくらい浮いてる。
羽みたいに軽くなったけど、飛べはしない。



5組の奴ら、ホント最低。自分達でいじめてたのに、
私が元から死にたがりだったみたいな言い方してる。



メッチャ腹立つ!
できることなら、仕返ししてやりたい。



私は教室に戻ってみた。
誰にも、見えてないっぽい。透明人間じゃん!



実験ってことで、大嫌いだった玲奈のイスを引いてみる。



「ふひゃっ!?」ズドーン!
変な声と共にひっくり返ってった。プッ。



よく「幽霊はすり抜けるから物に触れない」とか聞くけど、
普通に触れちゃったよ。



暇だし、とりあえず家に帰ってみることにした。



今頃親は大慌てだろうな。
私が辛い思いしてるのに、気付かないフリしてた親。



どいつもこいつも、絶対に許さない!







私は、学校から10分程歩いたところに住んでる。



家の一階には、誰も居なかった。



けど、二階からは、何か強烈な気配がする。