「うわぁ、うわぁ!」

俺は慌てて屋根があるところを探すと急いでそこまで走った。


なんとかそこまで辿り着いたが時すでに遅し、
着ていたシャツはずぶ濡れ、靴までびしょ濡れになっていた。


「最悪や・・・」

するともう一人、俺と同じような感じで一人の女性が走り込んで来た。


「わぁ~最悪・・・」

その女性もずぶ濡れになっていて、
Tシャツもびしょ濡れになっている。


可哀そうに・・・んんっ!?


すると俺ははっと気付いた。
その女性の濡れた白いTシャツ背中には、
黒いブラの線がくっきりと浮かび上がっている。


うっわぁ・・・


俺はそれを横目で見ながら、ちょっとラッキーなんて思っていた。



感づかれないように、たまに視線を変えながらチラチラと女性の方を見て頬を緩めている。
まわりから見たら明らかに変態だ。 


いや、これぞ健全な男子たるもの。
これを何も思わないようなら、もう男を終わってる! 

うんそうだ。


「あれ? 中越くん!?」

「はひっ!?」

そんなことを一人考えていると、突然名前を呼ばれ声が裏返った。


えっ? 今、名前呼ばれた?


「中越くんだよね?」

俺は恐る恐る顔まで視線を上げると、
「芳美さん!?」
剛彦お気に入りの芳美さんだった。