可愛かった、由岐の笑顔が、甘えて来る仕草が。
正直、さっきまでのモヤモヤが一気に吹き飛んだ感じだ。


由岐はいつもこんな風に表情をコロコロと変え、俺を和ましてくれる。
こんな由岐の可愛さに俺はいつも魅了されるんだ。

なんかさっきのことはどうでもよくなってきた?
それもそうか、由岐は彼女で京子さんはただ憧れやもんな。
由岐との関係とは違う。

過ごした時間も違うし、根本的に中身が違う。
ショックを受ける度合いが違うんやもんな。


「今日は何個食べる?」


「えっ? ああ、何個食べようかな・・・?」


「このまえは六個だったよね?」


「うん、由岐のコロッケ美味いしからな。」


「ホンマ? よかった。じゃあ全部食べていいよ。」


「全部・・・?」


「うん、二十個!」


「そ、それはさすがに・・・」


「私のコロッケ嫌い?」


また悲しそうな目で俺を見上げて・・・


「食う! 全部食う!」


「おおっ、男前~!」


由岐は本当に嬉しそうに笑う。


そんな由岐の笑顔が本当に好きだ。
その人懐っこい笑顔が可愛くて、大好きで。 でも不安で。

知らないところで誰かに見せていると思うと不安で居た堪れなかった。
愛情が大きくて、由岐が好き過ぎて、その笑顔が許せなくもなった。


けど、その笑顔に救われ励まされてもしてきた。
俺は落ち込んだ時や辛い時はいつも由岐に助けられて来た。


そのやさしい笑顔に・・・