「ああっ、別にたいしたことない。」


「たいしたことないって、わざわざ呼び出しといてたいしたことないはないやろ?」


剛彦は納得いかない様子で顔をしかめる。


ああ、確かにたいしたことないことはない。
けど、あんなこと聞かん方がよかった。


「何でもない。」


「お、おいっ! 何でもないってことないやろ!
まさかエッチなことしてたんちゃうやろな?」


アホか。


祐樹は呆れて逃げるようにその場を後にしようとしたその時、
祐樹の目の前に一人の男が目に入った。


その男は若い女の子に近付き仲良さそうに話している。
その姿はまるでナンパしているようにも見えた。


なんや、こいつ・・・


その見かけや話し方から、いかにも遊び人って感じがした。