その日から俺は由岐とは連絡を取らなかった。 
由岐からは電話やメールが何度か来てたけど、
俺はそれを全部無視した。 男らしいやり方ではないかもしれない。


でも俺なりにいっぱいいっぱいで、
何を話せばいいのかわからなかった。
会って思いっきり怒鳴ってやればいいのか、
『もいいよ。』と、すっきり別れてあげればよかったのか、
俺にはわからなかった。


俺には許すという選択肢はなかった。


けど会ってしまった、きっと俺は由岐を・・・



「ちょっと、中越くん!」


「えっ!?」


するとある日のこと、仕事場の帰りに突然呼び止められた。


こいつら・・・


俺を呼び止めたのは由岐の大学の友達だった。


「ちょっと中越くん、なんで由岐の電話に出ないの? メールも無視して!」


「そうや、由岐ずっと元気ないねんで。」


「それは・・・」


「ホント最低やね!」


女の子たちは怖い顔で俺をじっと見つめる。