「祐樹、気を付けてな」


「ああ。剛彦、頑張りすぎるなよ?」


「えっ!? あ、ああ・・・」


剛彦は委縮しながら、芳美の顔をチラッと覗き込んだ。


「何を頑張るんだ、何を!」


芳美はすかさず剛彦の頭を叩き、ツッコミを入れる。


「うん、がんばるぅー!」


「がんばるぅー!」


子供たちは意味も解らず、賛同する。


「こらっ! 何言ってるの!」


いや、芳美さん、子供たちは意味わかってませんよ?


子供って、素直というかなんというか・・・


そんな剛彦たちを見て、祐樹はフッと笑みをこぼした。


「じゃあ、帰ります」


「うん、気を付けて」


「バイバーイ!」


「バイバイ」


俺と涼香ちゃんは、四人に見送られながら、見えなくなるまで手を振り続けた。