そして、木原もまた会社に出勤してきた。


あいつ、よく来れたな?


あんなことがあって、嫁がよく、またここに働きに来ることを許したなぁ?


噂でちらっと聞いた話では、生活が苦しいから仕方ないとのこと。
けど、次が見つかり次第ここは辞めるそうだ。


はやく見つけて辞めればええのに。


そんな木原は早速、女の子に声を掛けていた。


懲りない奴や。

あいつには怒りしか沸いてこない。

男って、ほんまどいつもこいつも!




そうやって腹を立ててる俺の前に、剛彦がやって来た。


「祐樹」


「なんや?」


「芳美さんのことで腹立ててるんやろ?」


そうや、その通りや!


「ほんますまんかった! 許してくれ!」


剛彦は深々と俺に頭を下げた。