俺は迷った。今、近付いてもいいのかと・・・


その時、俺は持っていたペンを落としてしまった。


しまった!


その物音に気付いた京子が、こちらを見た。


「・・・・・」


「す、すいません! 聞くつもりじゃなかったんです!」


髪は乱れ顔はよく見えないが、髪の隙間から顔が赤く腫れているのがわかった。


「惨めでしょ・・・」


「えっ!?」


「最低でしょ・・・」


「京子さん・・・」


その言葉に対し、俺は何も答えてあげれなかった。


「何してるんだろう、私・・・」


また京子の目から涙が零れ落ちる。


自分がしてきたことを、きっとものすごく悔いているんだろう・・・


俺はそんな京子さんの背中を擦ってやることしかできなかった。


その日から数日間、京子は会社を休んだ。