いつものように作業は始まった。


芳美さんと剛彦は同じ部署、
嫌でも仕事は一緒にしなければいけない。
心配していたが、さすが芳美さんは大人だ。
仕事中はちゃんと剛彦と接していた。
俺たちに気を使わせないように、いつも通りに働いていた。
そんなところは本当にすごいと思う。


芳美さん、すごいわ。


そんな風に感心していると、社員が作業場に入って来た。


「吉木、吉木はいるか?」


「は、はい」


「おまえに客が来てる」


「私にですか・・・?」


「早く行け」


社員の憮然とした態度。
俺はその態度に妙な怒りを覚えた。


なんやあの言い方・・・


京子さんは、「ごめん」と言って、作業を抜け、走って行った。