「何もないよ。ねぇ、中越くん」


芳美は笑みを浮かべながら、
同意を求めるように少し首を傾けた。


「は、はい・・・」


かわいい・・・

「昨日はありがとね。嘘でもうれしかった」


嘘ではないんですけど・・・


京子と話す芳美は、ホントに楽しそうだった。


完全に吹っ切れてはいないやろうけど、
俺とのことで、少しは元気になったんやったら、そでええか。今はこれで。


すると、祐樹は休憩室の隅っこに視線がいった。


剛彦!


剛彦は隅っこの椅子に座り、うなだれていた。


自業自得、やなぁ・・・


そんな剛彦を見て同情したが、声は掛けなかった。