「すいません・・・」


「いいのよ、気にしないで」


芳美さんはニコッと微笑んだ。


きっと芳美さんは雰囲気だけで、
俺が流されたと思ってるんやろうなぁ・・・

芳美さん、あなたは自分の魅力に気付いてないんですよ。


「私もなんか、気分が楽になった。ありがとう中越くん」


「いえ、俺もありがとうございます」


俺も現金な奴やな、さっきまであんなに苦しんでたのに、
芳美さんとキスした途端、気持ちが晴れた気がする。

一時的なもんかもしれん、けど今は本当に由岐との苦しみを忘れられてる。


芳美さん、ありがとう。
そしてごめんなさい。

俺は、今日のキスを一生忘れんと思う。


涙目のまま笑う、芳美さんの笑顔も。