こいつ、京子さんにチクる気か!?


「実は祐樹が・・・んぐっ!!」


俺は剛彦が京子さんに何かを言おうとする口を塞いだ。


「んっ!? 中越くんが何!?」


「いや、なんでもありません!!
ほら剛彦、仕事行くぞ!!」


「んぐぐっ!!」


俺は抵抗する剛彦を引きずりながら、
首を傾げる京子さんを残しその場を離れた。



「剛彦、チクるのはなしやろ!!」


「はぁ? そんなん知らんし。」


「おまえなぁ?」


「中越くん!!」


「はいっ!?」


俺と剛彦が物影に隠れて言い合っていると、
京子さんが後を追って来てひょこっと顔を出した。