「中越くん、バツイチってそんなに軽そうに見える?
寂しそうな女に見えるのかな?」


「いや、そんなことないです! 
全然そんなこと!」


なんて、なんて言えばええんや?


「俺は、よくわからないですけど、
京子さんをそんな風には見てません。
第一、それはバツイチとは関係ないんじゃないんですか?
独身だって軽い人は軽いし。
だからそんなこと気にしなくていいと思います」


俺の言葉は間違ってないか? 
言いたいことはわかってくれたかな?


「そっか、ありがとね」


祐樹の言いたいことがわかったのか、
京子はニコッと笑った。


京子はバツイチというだけで、誘いやすい女、寂しい女と思われていると感じて来た。
それは独身女性とは明らかに、接してくる態度が違う様に見えたからだ。
簡単に体の関係になれる、そんな都合のいい女に。


「でも京子さん、それは京子さんの思い込み過ぎじゃないですか?」


「えっ!?」


「男って、もっと単純ですよ? いい女だから口説きたい。
いい女だから抱きたい。そんな単純なものです。
だから、それは京子さんの考え過ぎじゃないですか?」


京子は祐樹のそう言われて、
確かにそうかもしれないと思った。

少し敏感になり過ぎていた。
自分はバツイチは、そう想われているのだと。
その思ってしまう理由は、今の京子の状況にあった。