その後、なんとか女の子を宥め、乾いた服に着替えて、俺は帰る事にした。


「また遊びに来てね。」


「うん、また来るよ。」


俺は子供達の目にしゃがみ、視線を合わせて、そう言った。


「芳美さん、本当にありがとうございました。」


「ううん、こちらこそごめんね? 子供達が遊んでもらって。


父親がいないから、男の人が来ると嬉しいのよ。」


「いえ、こちらこそ、楽しかったです。」


「そう? よかった。」


「じゃあまた、明日バイト先で。」


「うん、気をつけて。」


俺は何度も手を振る子供達に見送られながら、芳美さんの家を後にした。


なんか、芳美さんの知らない一面を見れたなぁ~
子供と接する芳美さんは、母親の顔だった。


あんなに可愛い子供達がいたら、彼氏なんていらないかもしれない。

剛彦は、この生活を手にすることはできるんやろうか?


俺は芳美さんを好きだという剛彦を少し羨ましく思った。