翔が突然、別れを告げたのは他の女の子と付き合うため。しかもその子もソーシャルネットワークの子で、私の友達でもあった。
私と付き合っていたのに、いつの間にかその子と浮気していたのだった。
あいつが浮気していたのには気づかなかったけど、その女の子と付き合っていることは瞬時にわかった。
なぜなら、FREEの方にその女の子とおんなじものをプロフィールにしていたからだった。アイコンも一緒、プロフィールも一緒。
これだけじゃわからないが、決め手は彼のプロフィールの一言、"僕は○○(その女の子のプロフィールのリンク付き)だけなのさ"だった。
しかも別れの前日、私はその女の子と連絡を取り合っていたので、別れた次の日その子に、"今翔と付き合ってる?"と聞いてみると、メールアドレスは変更されていた。
おまけにその子にブロックされるし、翔にまでブロックされてしまったのだった。
ショックのあまり、立ち直れなかった。
…私はいつの間にか、変わってしまった。
私の性格が彼と付き合ったことによって大きく変化してしまった。
それまで無かった人間不信というものをいつの間にか発症していた。
誰も信じられなかった。姉さんも、グループのみんなも、知り合いも、家族も、…全てを信じられなくなった。
ヤンデレというやつも、高校入学当時に付き合っていた彼に発したあの言葉もそうだけれど、それ以上にひどくなってしまった。
翔が好きで好きでたまらなくって、本当は殺してやりたいくらい好き…もう二人っきりの世界でいいの、もう彼以外いらない。そう思うくらい私は狂ってしまった。
自分への戒めのために、何度だってリストカットもした。血を見るたびに大声で笑ったり、暴れたりしたもんだ。
全てをうらみ、全てを妬み、全てをマイナスに考えた。
今の私からしたら、昔の私はあの頃、本当に狂ってしまっていたと思う。
もし、心の支えすらなくなっていたら私はこの時本当に死んでいたかもしれない。
