「多分ずっと空青も好きだったんじゃねぇかな……。桜木の事…」


たくやくんに全てを聞いた時、涙が止まらなくなっていた。

「ごめん……。俺のせいで……」


知らなかった……。
あたしは空青くんの何も知らなかった。


「あたしね……?」

左手首のシャツをまくって見せた。

出てきたのは寂しく残る傷跡。


「死のうとした時空青くんの夢見たんだぁ…」

あの時の空青くんの顔が浮かんでくる。

「“好きでいてくれてありがとう”って言ってくれたの…」

傍で広ちゃんはうんうんと頷きながら聞いてくれた。


「あたし、凄く凄く嬉しかった…。凄く凄く幸せだったよ……?」