私は帰ろうと玄関に向かうと、優貴に出くわした。

今も優貴のことを考えていたので、少し動揺する。


「ゆ、優貴。どうしたの?」


「どうした、って俺も帰ろうと思って。」


「そ、そっか…」


「なぁお前、やっぱ最近変じゃねぇ?」


かなわないな、この人には。

改めてそう思った。


「やべ、傘忘れた…マキ頼む!駅まで入れてくれ!」


あ、相合傘…

ちょっと、恥ずかしい。


「いいけど…」