更に眉を顰めた雪姫は
着物の袖で口元を覆った。
「本当に、出来るのですか?
命を落とすかもしれませんよ」
「大丈夫。あなた、あいつのことが好きなんでしょう?
あたしで良ければ力になるわよ」
「どうしてそう思うのです」
「女の勘」
雪姫があたしをじっと見つめる。
改めてよく見てみると、とても美しい姫君だ。
暁斉が惚れるのもよく分かる。
女のあたしでさえも見惚れるほどの美しさだもの。
あたしは部屋から出て、裸足で地面に降り立った。
そばにいた則暁くんがあたしの行く手を阻むように前に立ちはだかった。
「なりませんよ。貴女様はここで私と
暁斉様のお帰りを待つことしか許されておりません。
雪姫様。貴女様は暁斉様に会うことはおろか、
ここに来ることもなりません」
「大丈夫よ、則暁くん。ちょっと行って帰ってくるだけ」
あたしがそう言って少しだけ則暁くんの胸を押してやると、
則暁くんは少しだけ後ろのほうによろけた。
転ばないように足をしっかり地面につけて体勢を整えると、
あたしをじっと見つめて首を横に振った。
「なりません」
「どいて。春仁くん」


