状況を理解し切れていないお兄ちゃん。
無理にでも理解しようと考え込むあたし。
そして手をついて床に倒れている、暁斉・・・。
何がどうしてこうなったの?
あたしはもとの時代に戻れた?
それはどうして?
戻ったのはいいけど、どうしてこいつがここに?
もしかして、今度はこいつが・・・。
「由紀?こ、こいつは・・・誰だ?」
「お兄ちゃん・・・」
「兄?この男はお前の兄上か?」
「・・・お前っ!!由紀から離れろ!!
何なんだお前!!」
お兄ちゃんがそう叫ぶと、あたしの傍に駆け寄って
背に庇うようにした。
お兄ちゃん、
離れろって、もうすでに離れてるから。
起きたあたしが見たのは暁斉の顔。
びっくりしたあたしは暁斉の胸元をぐっと
両手で押しやったんだ。
床に転げてる暁斉はとっくに離れてたのよ。
正しく言うと、あたしが離したのね。
お兄ちゃんに睨まれた暁斉は、
訳のわからないというふうに睨み返した。
そんな2人を見て、あたしが咄嗟に
2人の間に割って入った。
「待って、お兄ちゃん!!」
「由紀・・・?」
「・・・っこの人、あたしの友達なの!!」
「え?」
「は?」