バー恋 ~文字が色を放つ時~

「……逢いたかった……逢いたかった……逢い……翔吾……」

「もういいから」

 あたしの頭を肩に押し付ける。そして、静かに髪を撫でた。


「俺はもう、バーチャルじゃない。今リアルな世界でもう一度、桜を見つけたんだ。もう、何処にも行くな……いいな……」



 翔吾の腕の中で何度も頷いた。何度も……。


 路面がうっすら白くなる。

温度は確実に下がっているはずなのに、あたしはとても温かい気持ちに包まれていた。