バー恋 ~文字が色を放つ時~

「すいませ……」

 腰を摩りながら見上げたその顔。



「あっ……」

 きっと声になっていなかっただろう。

 瞳も閉じられないまま、速くなる鼓動だけが耳の奥に響いた。


「お前はガキかよ、クク。ホラ早く立てよ……」 

 手が差し伸べられる。