バー恋 ~文字が色を放つ時~

 でも一つだけ、一つだけ、忘れられない。


 翔吾の事が……。


 我ながら諦めの悪い女だと苦笑する。

でも、どんなに言い聞かせても、心が受け入れてくれない。

 翔吾が好きだと叫んでいた。

 届く事のない想いはいつでもあたしの気持ちの中にあった。