次の日の夜、会社を出て翔吾との待ち合わせの場所に向かう。 北風が頬をさし、あたしは身体を丸めた。 以前翔吾と一晩中過ごしたお店。静かにドアを開ける。 「いらっしゃいませ……」 落ち着いたマスターの声に顔を向け軽く会釈した。