「そーゆーカイトさんこそ昨日はなんであんなに不機嫌だったのかにゃ!!!?」
ガバッと顔を上げて、目の前にあるド級美少年の顔を睨み付ける。
でも口元はにんまり。
うひひ。
どうだ言い返せないだろう!!
ニャハッニャハッニャハハハハハッッ!!!!
(誰か止めてあげて)
「…千早のせいだから」
「……ほへ?」
カイトは少し俯いて、すっとんきょうな声を発したあたしに向けて続ける。
「千早が、東野っつーヤツと仲良くしてんのがムカついただけ」
カイトは俯いた状態から少し顔を上げ、頬杖をついている左手で口元まで隠した。
眉根が不機嫌そうに寄り、目線は明後日。
…なんとなぁく…
…照れ…てる…?
あたしは何故か嬉しくなって、緩んだ頬を隠せずにいた。
「東野って瑞希のことっすかー?ノンノン!ヤツはただの友達っすよー♪
カイトさんてば…似合わずヤキモチ妬きですね〜?」
「…っるっせぇ…」
カイトは更に横を向き、それからガクリと項垂れたように自分の二の腕の上に額を置いた。
どうやら悔しがっているらしい。
…うまうま♪
「カイトってたまに可愛いよねぇ?」


