なんかスゲェ小さな子供を捜してるお母さんみたいなセリフ…。
でも小町さんはバカにしたりしないで、むしろビックリしてるみたいな表情を浮かべた。
「帰ったよ!?えっ何かあったの!?」
心配しているところ、ホントに何も知らないらしい。
あたしは落ち込みながらも、
「い、いえ…なんでも…」
「遠慮しなくていいんだよ!?」
「やっホント大丈夫っす!!それじゃ!!」
あたしは小町さんに背中を向けて、カフェを出ようとする。
それを小町さんが止めようとして、
「あっ待って…」
そう言った直後。
「小町さん!お電話ですー」
奥の方からお呼びがかかり、渋々そちらに向かって行った。
あたしは申し訳なくなりながらも、カフェを出て街に繰り出した。
辺りがオレンジに染まり始める夕暮れ。
あたしはヘトヘトになりながら、家路についていた。
結局、カイトは見つからなかった。
もうゲームオーバー確定だってわかってた。
伸びる影。
ゆらゆら揺れて、あたしおばあちゃんみたい。
体力ないクセに、無理して走ったから意識はもうろうとしてる。
だって――…


