最初に向かったのは、あたしの家。
鍵を開けて家に入り、自室に飛び込む。
でも、そこにカイトの姿はない。
居た痕跡もない。
これにはホントに焦って、あたしは最悪の状況をいろいろと脳内に巡らせた。
ホントに事故!?
ゲームオーバー!?
それとも…他の人の家に…!?
あたしはどうしていいかわからなくなって、
とにかく家に居ないってことだけわかってたから家を飛び出した。
まずは事故の可能性。
それは、ゲームオーバーよりも嫌な状況。
とにかくそれを消したくて、あたしは近くの総合病院に走った。
自動ドアのノロイのがなんだか許せなくて、半ばこじ開けるようにして病院に入った。
受付まで走って、そこにいた看護師の女性に尋ねる。
「あの!ここに一ノ瀬カイトって人、運ばれて来たりしてませんか!!!?」
あたしのただならぬ様子に、看護師さんは驚いたように、けれどきちんと調べてくれた。
「…いえ、運ばれて来てはいませんよ」
それを聞いて、あたしは心底、ホッとした。
ホッとしたら、少しだけ力が抜けて、ガクンと膝を折ってしまった。
慌てて看護師さんがカウンター越しにあたしを支える。


