「欲しいモンくらい自分で買うっつーの」
「…………っ」
「わかった?」
「……うぃ…」
「でも嬉しいから」
「…………っ」
「ありがと」
「……うん…」
「だから泣くなよ」
カイトはフッと目を細め、困ったように小さく微笑んだ。
とくん
鼓動が聴こえた。
カイトには聴こえなかったようで。
「泣き止まないとチューするよ?」
「にゃ!?……ッ!!」
イタズラっぽく、カイトの唇があたしの頬に触れた。
どくん
鼓動が跳ねた。
「…あ、泣き止んだ」
「…………(放心)」
「やっぱ、ちーちゃんにはキスがいいね」
…………。
……前言撤回。
絶対コイツ、あたしの鼓動聴こえてた。
最近のあたしはどうもおかしい。
心臓が変に高鳴るのである。
もしかして…病気でしょうか!!!?
「…と、いうわけなので、先生。今日、病欠したいんですけど」
『お前が朝までネトゲしてたのはよくわかった。そんな榊に伝えよう。
…さっさと来んかいッッ!!!!』
ブチッ
乱暴に切られた通話。
あたしはベッドの中でごろんと転がった。


