視線をカイトの足元辺りにさ迷わせて、あたしは瞬きしないように一点を見つめて固まった。
泣くもんかと思った。
しょせんゲーム。
そう、これはゲーム。
泣かされてたまるかって変に意地を張った。
涙をこぼさないように瞬きしなかったら、目がジンジンしてきた。
バイト始めたのは自分のためだけど、
でもそれ以上にあたしはカイトが欲しいものも買えないんじゃ嫌だって思ったからで。
……なんでそんなこと思ったんだ?
ふと疑問に思い、自問自答しようとした…
…時。
「千早に居て欲しい」
そんな言葉と共に、あたしの額はカイトの胸板に押し付けられた。
頭を抱き寄せられたあたしは、今度こそ驚いて、思わず瞬きをしてしまった。
そしたら涙がポロポロと落ちた。
くそぅ…
目から汗が…ってベタだな…。
なんて考えても、あたしはちっとも面白くなくて。
笑えなかった。
「心配したし」
「…………。」
「何か言うことは?」
「…ごめん…なさい…」
「いい子」
カイトはあたしの頭を撫で、そして顔を覗き込んできた。


