最初はバイトってのがわかんないのかと思った。
が、そうじゃないらしく。
「なんでまた?」
呆れたような空気を感じさせる声色で尋ねてきた。
あたしは顔を上げ、なんて言おうか迷った。
「花梨に言われたから」か?
「欲しいものが買えるから」か?
…………………………。
選択肢ですねわかります。
ここは、正直に…!
「かっカイトの私物が買えると思ったんだよ!!」
思いきった。
あたし頑張った。
こんな恥ずかしいこと、マンガとかでしか見たことないっすよマジで!!!!(涙)
ギュッと目を瞑り、カイトの返事を待つ。
なんて言われるか?
「ありがとう」か?
「早く言えよ」か?
なんて予想をたてていたあたしの耳に届いたのは、
「いらない」
そんな答え。
選択肢を誤ったか!!!?
え、このあたしがか!!!?
と、焦る場所が若干いやかなり違うあたし。
でもちょっと冷静になってみて。
めちゃくちゃ悲しいこと言われたんだって理解した。
そしたら悲しくなってきた。
悲しくなってきたら涙が浮かんできた。


