でも最初って何したらいいのかわかんないよね。

ね?




ここの本屋は結構広くて、二階もあっちゃう感じ。

あたしは二階のマンガコーナーに佇んでいた。


「…うぉお…!」



………………………。


すんません。


嘘つきました。




佇んでいたってのは見掛けだけで、


ホントは。


「…キタよ…キちゃったよぉ〜…?ついに戦闘だよ“カイト”さん…」


立ち読み中でした。


(チーン)




あ、ちなみに立ち読み中のマンガはカイトの名付け親マンガっす。




「……あの」

「くぉ〜…!」

「…すみません」

「あ゛ぁ!!“カイト”負けそう!!!?」




「あのっ!!」




すぐ近くで呼び掛けられたあたしは、ビックゥ!と文字通り飛び上がった。


慌ててマンガを棚に戻す。


「はい!!はいはいなんすか!!!?」


マッハで振り向くと、そこには学ランを着た男子さんが、ちょっと…

や、かなーり怒った表情を浮かべて立っていた。

焦げ茶色の短髪がピョンピョン跳ねた、どっか可愛い感じの男の子。


「…店員が、立ち読みっていいの?」

「えぇっと〜…」

「ダメだよね?サカキさん?」