結局教えてもらえなかったので、あたしは真中氏が半信半疑で言ってた求人情報誌を探すことにした。

ってか、求人情報誌にバイト募集って載ってんのかにゃー?


学校帰りに本屋へ立ち寄ると、ナイスタイミングでいいものを発見した。


「バイト募集…?」


本屋の入り口に張られたポスターに、あたしは釘付けになった。

……キタコレ。

千早のターンキタよコレ!!!!


「すみません!!ここでバイトしたいんですが!!」


あたしはすぐさま、近くを通りすぎる店員さんに声をかけた。














「え゛っ。マジでバイト始めたのあんた」

「いかにも!」


面接を受けた次の日から入ってくれと言われたあたしは、寄り道に誘ってきた花梨に鼻を高くした。

花梨は食べていたポッキーを驚いた拍子に落としてしまった。

もったいない。

マー○イさんに怒られますぞ。


「…冗談で言ったのに」

「あたしはいつでも本気なのだよー花梨ー」

「よく言うわね。」

「なっはっはっ!では諸君!榊千早さんは社会に貢献してくるぞ!」

「敬礼してないでさっさと行きなさいよこの阿呆」


イラついた声色で花梨に促され、あたしはそそくさとバイト先に向かった。