ガシッ


「ダァレが逃がすか。あ?千早?」

「にょおぉおおッッ!!!!」

「いや悲鳴おかしいから」


肩を凄まじい力で捕まれて、あたしは止まらざるをえなかった。

恐る恐る振り返るあたしに、花梨(ホワイト…いや普通でもグレーくらいか)は呆れ顔で、


「…そこまで言うなら」


おぉ!?


「買ってくれるのか!」

「誰が。」

「…うん。まあ、わかってたけどね…」


イジイジと床にしゃがみ込んで『の』の字を書くあたし。

花梨はため息を一つ。


「そんなに欲しいなら自分で買えるようにバイトでもしなさいよ」

「バイト〜?」

「そ。ま、あんたを雇ってくれるところがあればの話だけど?」

「むぅ…なんて失礼な」


……んん?

でも待てよ?

バイトする→お金貯まる→好きなもの買える…


…プラス…


…カイトさんの私物も買えちゃう!!!?




一石二鳥(?)キタ――(゚∀゚)――!!!!




「よし!榊千早!社会に貢献しようと思う!!!!」

「大袈裟だな…あんたがちょろっと働いたくらいで貢献になんないわよ」

「何を言うか!見てろ!好感度アップじゃあぁあッッ!!!!」

「はあ?」