なっ…


「…そこで揚げ足とりますかキミ」

「当然」


上目にあたしを見つめて、お箸をカチリと鳴らしたカイトから目を逸らす。

ブッと唇を尖らせながら、あたしは目の前の野菜たちの群れにお箸を乱入させた。

黙々と野菜を口に運ぶあたし。

カイトはそれ以上何も言わず、黙って食事に戻った。


結局、あたしは野菜炒めの味が最後までわからず仕舞いだった。













「…か…花梨さん…」

「嫌よ」

「そこをなんとかぁ!」

「断固拒否」

「うっう…あと……あと2ポイントなんだよぉお――ッッ!!!!」

「知らないわよ」


本屋のラノベが並ぶ棚の前で、あたしは花梨に泣きついた。

ポイントが貯まるともれなくプレゼントが貰えるってヤツで、あたしはそれがどうしても欲しいわけだ。

…いや…

頂くのである!!!!


「だから花梨!!」

「しつこいわね…」

「この一冊とか超オススメだから!!」

「読まない。あたしはラノベより純文学なのよ」

「心狭いよぉ〜」

「あ゛ぁん?」


【カリンブラックLv.99が現れた!】

『コマンド』
・たたかう
・魔法
・アイテム
・逃げる

…もち!


「逃げるが勝ち!!」